久しぶりに探検

突然ですが世の中には信じられないような場所があるという事をご存知でしょうか
時代に置いていかれたような、はたまた時空が歪んでしまったような異空間
断崖絶壁に隠れるようにひっそりと立つ喫茶店
そこには一人のお婆さんと猫が一匹
店内に流れるはレコードプレイヤーが奏でるクラシック
・・・怖い・・・
話には聞いていても実際はないだろそんな場所
あったとしても廃墟だろ
昔々には存在していたかもしれないけれど
この平成の世の中にあるわけないだろ
ってな場所があったのですよわが町には!
ひょんな事からそんな所があるというのを聞きつけた私は
(たまたまネットうろついてて見つけた)
これは行ってみるしかないべ!つって日曜日にメタボリ隊員といざ出発

とある港町のはずれのはずれのどん詰まり
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目の前は海
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右にはそびえ立つ壁
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鬱蒼と生い茂る雑草を掻き分け獣道を進むと
そこに表れたるは
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怪しげな看板
ラブホか・・・?
いやネット情報によるとここは喫茶店のはずざんす
しかし外観は今にも朽ち果てそうな程の古びた家
サッシなんかどこにも使われておらず
ぱっと見ただけでもあちこち隙間だらけ
海風吹きすさぶ崖の上に立つソレは
人が住むには厳しいと言わざるおえないほどボロ

ま、ここまで来たんだから入ってみましょつって
ガラっと開けた途端そこはかとなく鼻につく猫臭
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間違いない!ここには猫がいる!
って違う違う
猫はいるかもしんないけどまずはお婆さんだった
「すみませ~ん。ごめんくださ~い」と何度も声をかけるが
一向に人の気配なし
ついでに言えば猫臭はするものの猫の姿なし
だ・・・誰もいないのか・・・?と不安になるくらい待ったところで
「は~い」つってお婆さんが現れる
いったいこのお婆さんどこから現れたんだ???って思ったら
カウンターの裏の小さな引き戸から出てきおったのです
びっくりしたのです(^^;;

まぁびっくりしたけど人がいて安心
「いらっしゃいませ~。」
いらっしゃいませってお水をだすくらいなんだから
やっぱここは喫茶店でありましょう
まずは注文をば
メタボリはオレンジジュースに隊長である私はココア
ってなぜココア頼んだかね
この日めちゃくちゃ暑かったのに(~~

お婆さんがヨボヨボと作ってる間に
お店の中を探検させていただきましたよ
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そこはかとなく汚い店内
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天井には昔懐かしい昭和の時代のレコードジャケット
雨染みだらけ たまに蜘蛛の巣
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窓辺には味のある小物達
汚い・・・
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鹿の角のオブジェや小汚い帆船やよく分からない絵画や
ビニールで補強した椅子やらもうどこを突っ込んでいいのやらな店内

そうして店内の奥には・・・
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怪しい・・・店内より更に怪しい・・・
なんなんだあの空間は??
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そこはかとなく漂う秘宝館っぽさ
小さな扉が左右に3つずつ
計6枚の扉があるのです
なんなんでありましょうか?この小部屋達は
たぶん2畳か3畳ほどの広さしかないように思われます


奥に行くほど狭まる通路を進むと裏口があります
ギシギシとした戸を開けるとそこは
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断崖絶壁
逃げられません・・・
お婆さんは裏庭と言ってましたが
昔はここでジンギスカンをやって賑わってたと言ってましたが
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その名残
確かにテーブルではあります


結局の所崖の上に立つ昔からやっておる喫茶店なのでありますが
改築も補修も何もせずに
未だに営業してるこんな場所があった事に驚きを隠せない探検隊であります
営業と言っても今やお婆さんの趣味という感じですが
ここまでパンチの効いたお店ですので
ネット上では知る人ぞ知るといった感じで
わざわざ遠方からやってくるお客さんも多いというお話でした
そりゃ~来るわな
一見の価値はあるわなと思いました
昭和36年頃から始めて一時はジンギスカンも出したりしてたそうです
その時代のこの町は鉄鋼産業全盛期で
札幌よりも賑わっていただろうと思いますので
このお店もきっと繁盛していたでありましょう
優しそうなお婆さんはお話好きのようでいろいろ教えてくれました
私の母くらいの年齢なのでお婆さんが死んじゃったら
きっとこの喫茶店も閉めるんだろうな~と思いました
怪しい小部屋は宴会で使っていたとおっしゃっていたので
そうなのかもしれません
・・・そうじゃないのかもしれません・・・

この後はワタクシの独断と偏見に満ちた妄想であります







実はこの町には負の歴史といいましょうか
あまり大きな声では言えない歴史がありまして
その昔この喫茶店とそう遠くはない場所に遊郭があったんですよ
その時代この港町に多くの男連中が集められて
真っ黒になって朝から晩まで働かされ
夜な夜な酒と女を求めて賑わっていたであろうそこは幕西遊郭
昭和32年くらいまで遊郭はあったそうであります
たくさんの売られてきた女達の辛さや恨みや涙があるのです

って歴史を思うとですね
この喫茶店はまさしく遊郭だったのではないかしらと思うのです
あの小さな部屋は布団一枚敷いてちょうどいいもの
裏口から遊女が逃げようとしてもそこは断崖絶壁だもの
昭和32年に法律によって遊郭は廃止になったけれども
密かに続いていたのではないでしょうか

ってこんな妄想をしてしまうのは
最近こんな本を読んだから

親なるもの断崖 第1部 (宙コミック文庫)

曾根 富美子 / 宙出版


親なるもの断崖 第2部 (宙コミック文庫)

曾根 富美子 / 宙出版


この本はかなり前に出版されたらしいんですが
最近機会があって貸してもらったんですが
もう悲惨すぎるほど悲惨
酷すぎる遊女達の生活
フィクションではありますが
ノンフィクションと言ってもいいのではないかってくらい史実に忠実に描かれておるのです
こんな黒歴史は表にだしていいのかって感じ
確かに私もあの場所に遊郭があったって事はなんとなく知ってはいましたが
誰も多くは語らないので実際はどうだったのか全く知りませんでした
今の若い人に至ってはこの町にそんな事があったなんて知らないでしょう

って本を読んでいたので
この喫茶店の内部を見て想像妄想膨らみっぱなしでした
お婆さんほんとうの事教えてよって喉まで出掛かりました(^^;;;

いや~久しぶりの探検は濃いものになったな~
結局猫には会えなかったので
お婆さんが生きてるうちにもう一回行きたいものであります
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by usaginokuniy | 2013-07-09 16:07 | 探検